「亜鉛はDHTの発生を抑える!」とか「亜鉛はDHTを抑制しないことが判明!」とか、矛盾しているように思える情報が錯綜しています。
当サイトでも、調査し結論を出してみました。
Contents
1.「亜鉛がDHTを抑制しない」の根拠についての考察
どうやら、2つの実験が「亜鉛がDHTを抑制しない」ことの主な根拠になっているようでした。
1-1.男性不妊患者への亜鉛療法によってテストステロンとDHTが上昇した実験
まずは、一つ目の実験です。
実験概要:血中テストステロン、DHT、および精子数に対する亜鉛療法の効果を、5年以上妻を妊娠させられない37人の男性不妊患者で調べた。 第1群(4.8ng / ml未満、22名未満)では、精子数と同様に、亜鉛の経口投与後にテストステロン、およびDHTが有意に上昇した。結果、6ヵ月以内に6人の妻が妊娠し、2ヵ月以内に3人、合計9人の妻が妊娠した。
Effect of zinc administration on plasma testosterone, dihydrotestosterone, and sperm count.(Netter A, Hartoma R, Nahoul K.)から引用
これは、男性不妊の患者が亜鉛を摂ることで、テストステロンとDHTの両方が増加したことを示す実験結果です。
「うわ、じゃあ亜鉛を摂るとDHT増えて薄毛が進行するんじゃ……」
早まらないでください(笑)
まずは、亜鉛摂取後のテストステロンの増加傾向から、DHTがどれだけ増えたのかを考えてみましょう。
実験概要を読むと、被験者たちのテストステロン値は4.8 ng/ml以下でした。そして、亜鉛療法の結果、血中のテストステロン値が4.8 ng/ml以上になったんですね。
4.8 ng/ml以上のテストステロンって多いと思いますか? 実はそんなことないんです。
男性のテストステロンの正常値は、2.5~11ng/mlの間といわれています。
テストステロン値が4.8 ng/ml以下だった男性不妊患者の方たちの数値が4.8 ng/ml以上になったとしても、平均値から見たら、たいした数値ではありません。
もちろん、男性不妊患者の方にとっては、大幅な上昇なのかもしれませんが、、、
実験概要には、肝心のDHTについて具体的な数値は示されていませんでした。
しかし、テストステロンに比例してDHTが増加したのだとすれば、たいした増加はしていない可能性が濃いです。
どちらかというと、「亜鉛によってテストステロンとDHTの数値が平均値に近づいた」、というのが正しい表現でしょう。
1-2.マウスを使った亜鉛とテストステロン・DHTの実験
2つ目の実験を見てみましょう。
亜鉛の摂取に制限を加えたラットと、亜鉛を十分に与えたラットを比較したところ、亜鉛に制限を加えられたラット(亜鉛不足のラット)の方が、DHTの数値が低かった。
Dietary zinc deficiency alters 5 alpha-reduction and aromatization of testosterone and androgen and estrogen receptors in rat liver.(Om AS1, Chung KW.)より引用
この結果が「亜鉛がDHTを抑制しないこと」の根拠になっているようです。
しかし、亜鉛が不足しているラットと亜鉛を十分に摂っているラットを比べて、亜鉛不足のラットの方がDHTが低いのは当然のことです。
なぜなら、亜鉛不足になるとDHTの前駆物質である、テストステロンの値も低くなるからです。
しかし、最初に紹介した実験の考察と同様、あくまで亜鉛不足のラットのDHTが「平均を下回っただけ」である可能性が高いです。
亜鉛がDHTを抑制しないことの根拠にはなっていません。
でも、「亜鉛を摂ることでDHTが増えて、亜鉛を摂らないとDHTが減るのは確かなんでしょ?」
その通りです。
でも、そこにも誤解がありそうなので、説明させてください。
2.亜鉛に限らずテストステロンが増えればDHTも増えるのは当然
DHTの前駆物質であるテストステロンが増えればDHTは増えます。それは亜鉛を摂った場合も同様です。
しかし、亜鉛には同時にDHTの発生を抑制する(厳密には5αリダクターゼの活性阻害)働きもがあることには変わりありません。
なので、亜鉛を摂取することは、普通にテストステロンを増やす時よりも、DHTの発生を抑えられることがわかります。
ただし、DHTが増えることには変わりありません。いくら亜鉛といえど、テストステロンがDHTに変換されるのを100%抑えることはできないからです。
どのような方法でも、テストステロンを増やせばDHTが増えるとしたら、少しでもDHTの発生が抑えられる亜鉛で増やしたほうがいいと個人的には思います。
それでも一部の人は、「少しでもDHTが増えるのなら亜鉛を摂るのはちょっと、、、」と思われるかもしれません。
でも、大前提を忘れないでほしいです。
3.亜鉛は必須ミネラルの一種|不足する薄毛を進行させる弊害が
そもそもの大前提として、亜鉛は生命維持に必要不可欠なミネラルの一種です。
亜鉛が薄毛・抜け毛対策として用いられるのは、5αリダクターゼの働きを阻害させることだけではありません。
亜鉛は
- ストレスを軽減させる
- 自律神経を整える(→睡眠不足の解消)
- アルコールの代謝促進
- 体内の有害物質の代謝
などの働きを通して、薄毛・抜け毛の発生を抑えるのを助けます。
繰り返しますが、亜鉛は必須ミネラルです。
不足すると、DHTの発生は減るかもしれません。しかし、違う方向から薄毛・抜け毛が進行するであろうことは忘れてはいけません。
亜鉛は薄毛・抜け毛を抑えるだけでなく、
- 毛母細胞の増殖を助ける
- ケラチンを髪の毛に変える
などの働きを通して、育毛にも深くかかわっているミネラルです。
これだけでも、不足してはいけないのが分かりますよね。
結論:亜鉛を摂りつつDHTを抑制する方向で対策すべき
今回の調査や考察から分かったのは、
- 亜鉛はテストステロンとDHTの数値を正常にするのを助ける(いたずらに増加させるわけではない)
- 亜鉛はDHTの発生を抑制させる以前に、育毛サイクルに欠かせないミネラル
- 亜鉛の摂取で少なからずDHTは増えるが亜鉛の摂取を制限すべきではない
ということです。
厚労省で推奨される量の亜鉛を摂りつつ、DHTの発生を抑止するのがベスト。
亜鉛は薄毛・抜け毛を抑えるだけでなく、育毛にも深くかかわっている栄養素なので、摂らない選択肢は考えないほうがいいです。
そもそも、亜鉛を制限するとAGA関連以外の不調が必ず現れます。
亜鉛を摂りつつ、DHTを亜鉛と一緒に抑制する成分を含むサプリでお勧めなのは【GUNGUN】です。
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GUNGUNは、菊芋の成分から亜鉛を補える上、ノコギリヤシの成分でDHTをさらに抑制するのをサポートできるかなり優秀なサプリです。
8割の人がダマされる含有量の罠
亜鉛を摂るにあたって、食材から摂ろうがサプリから摂ろうが含有量だけ見ていては『亜鉛を摂ってるつもり』になっているだけの可能性があります。
亜鉛は吸収率が低く、食事からは30~40%しか吸収されない上、
- フィチン酸
- 食物繊維
「サプリで摂ってるから大丈夫」と思っている方も安心するのは早いです。
例えば、亜鉛サプリに広く使われている亜鉛の有効成分である『亜鉛酵母』は、事前に熱処理がされていないと体内にほとんど吸収されません。
また、販売ページに『サプリ1粒あたりの亜鉛含有量』ではなく、『原材料100gあたりの亜鉛含有量』が書かれていて、実際のサプリには1粒1gも含まれていないことも往々にしてあります。
『亜鉛を摂取したつもり』になるだけでは、本当の満足感は得られません。
亜鉛を含有量だけでなく、吸収効率などを考えて摂ることで初めて亜鉛の魅力を知ることができます。
サプリであれば、有効成分の種類やメーカーの信頼性などを確認することも重要です。
それらについては、
【亜鉛サプリおすすめランキングBEST10|サプリ嫌いの男が20種類から厳選!(2017.10.07更新)】
【亜鉛含有量だけを見ても意味ない!?|誰でも確実に亜鉛を補える方法】
の記事をご覧ください。
ここまでお読みくださり感謝します。